Music Business

〜ヒット曲の裏側〜

オペラと貴族社会

社会構造と音楽産業の関わり

オペラの基礎知識

オペラ(歌劇)とは
演劇と音楽による舞台芸術のこと。古代ギリシャの演劇を復活させようとしたのが起源。

大まかに二種類:
オペラ・セリア(貴族向けのかしこまったもの)
オペラ・ブッファ(大衆向けの世俗的なもの)

オペラハウス
オペラ専用劇場の事で、客席と舞台の間にオーケストラピットと呼ばれる空間がある事が特徴。

オペラとミュージカルの違い(余談)

オペラ:演劇と音楽の両方を織り込んだもの
ミュージカル:劇を中心としていて音楽はあくまでもBGM(Popsも多数ある)
舞台上の動きとしてもオペラは顔(口)が常に客席を向くようになど細かな違いが存在する。

オペラと貴族社会

王や貴族の時代(オペラ・セリア)
国内外へ、国王の権威を示して、国の統治を安定させる目的でオペラは利用されていた。
(豪華な事をできて凄い!芸術的にも経済的にも優れた国!とアピールすることで外交のツールとなっていた)
→これらの理由から王や貴族が、芸術分野に投資をする事で大きく発展を遂げた。

王や貴族の時代のオペラ・セリアの特徴
男女の恋→でもそれは禁断の恋…→「私たち…!結ばれない運命なのね…」
→しかーし!そんな所に国王(らしき人)が登場!→国王(らしき人)の力で全て丸く解決してしまった!
ありがとう!!国王様〜〜!!!(勧善懲悪や至上主義的な解決が多い)

しかし、革命や反乱が発生するようになり、次第に王の力が失われる。
そんな一方、貴族以外にもお金を持った人が現れた。

奴隷貿易で儲けた商人など、一般民衆の中でオペラを開催可能に。
→今までと違い、世俗的な大衆向けのコンテンツが求められるように(オペラ・ブッファ)
喜劇の流行から悲劇の流行へ移り変わって行った。

時代や社会情勢にあったコンテンツが評価されている。

「国民の父」Verdi とイタリア統一運動

イタリア統一運動(リソルジメント)とは
19世紀のイタリア統一に向けて発生した運動。

Verdi
イタリアに合った国民性や宗教観を持ち、多数のヒット曲を生み出した人物。
Verdiが作曲した『Va,pensiero,sull'ali dorate』(行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って)はイタリア第二の国歌と呼ばれている。
Verdiの楽曲がイタリア統一への気持ちを高めたと言われる事も多い。

スローガン「Viva Vittorio Emanuele Re d’Italia」(Viva V.E.R.D.I.)
イタリア統一運動で検閲に引っかからないスローガン。
そしてイタリア国民から人気の高いVerdiを称える言葉。
「Viva Verdi」として国民的な地位を確実なものにした。

その後様々な経緯を経て社会福祉や農業等様々な事業へ。
イメージが与える影響が大きく、ブランディングや発信が重要になる。

グランドオペラ『AIDA』

ゴスペル音楽と宗教の関係性

宗教と音楽の関わり

ゴスペル音楽とは

奴隷制度の中で生まれた音楽から発展し、キリスト教の福音を伝えるための音楽。

説教と音楽の関係

説教のスタイルそのものが音楽的であり、聴衆とのコール&レスポンスが重要となる。
現在のゴスペルの姿(Urban Contemporary Gospel)へと進化を続けている。

HipHopの成立と人種差別問題

社会的背景と音楽

ニューヨーク、ブロンクスの厳しい社会情勢や人種差別の中から生まれた文化。
音楽だけでなく、ダンス、グラフィティ、ファッションを含むライフスタイルとしての側面が強い。

Motown Recordsの音楽ビジネス

音楽ビジネスの基礎

Motown Sound(モータウン・サウンド)

KISSの原則とキャッチーなサウンド

『KISS の原則』とは?
「Keep it simple, stupid」 (シンプルにしておけ!この間抜け)
「Keep it short and simple」(簡潔に単純にしておけ)
→要はシンプルにしろって事

単純明快わかりやすいポップでキャッチーなサウンドが大衆にウケて評価された。
ただし、それだけで音楽業界に名を残した訳では無い。音楽ビジネスの基礎を築いたと言っても過言ではない。

Motown Recordsの音楽ビジネスモデル

「Jazzは商売にはならない」「音楽ビジネスで利益をあげるにはトータルな管理が必要」という反省を下に構築された。

①レコードの「販売権」を売る
→大手レーベルに著作権を握られることなく全米の販売網を使用。
②自社完結の楽曲生産体制
→楽曲制作に関わる人全てを自社で抱え、スタジオを22時間操業して自動車のように量産。
③白人と黒人のクロスオーバー
→人種を分ける戦略から、両者を融合したクロスオーバーに転換。
④品質管理とブランディング
→品質管理会議でクオリティを担保し、服装からマナーまで徹底管理。
⑤アーティスト養成所
→立ち振る舞いに至るまですべてをプロデュース。
⑥モータウンレビュー
→新人お披露目ツアーを通じて社会性と技術を磨く。

AKB商法ときゃりーぱみゅぱみゅ

日本の音楽ビジネス

AKB商法:“会いに行ける”付加価値の販売

握手券を求めた人がCDを大量購入。CDランキングを独占する状況を作った。
実は日本のCD文化を延命させ、音楽業界を支えた側面もある。

きゃりーぱみゅぱみゅ:YouTube公開による世界戦略

YouTubeにフル尺を公開し、あえて“CDが売れなくなる手法”を取った。
世界へ発信する「広告目的」としてMVを活用し、ライブ等の価値を高めた。

共通点: “売るもの”を変えた事例

CDやライブそのものを売るビジネスから、
握手券等の「付加価値」や、MVという「広告手段」そのものを成果に繋げるビジネスへの転換。

初音ミクのヒットとUGC

ネット時代の音楽ビジネス

ユーザーがコンテンツを作成するUGC(User Generated Content)の爆発的ヒット。
クリエイター同士が連鎖的に創作を行うエコシステムを構築した。